<初心者向け>歯ブラシづくりマニュアル:第3回 歯ブラシができるまで①|歯ブラシ製造 必要資材まとめ
「歯ブラシができるまで」をテーマに、2回に分けてお伝えいたします。
今回は、歯ブラシの基本的な資材についてです。
毎日、当たり前のように使っている歯ブラシ。一見シンプルな作りに見えますが、
実は1本の歯ブラシには、いくつものパーツが組み合わさってできています。
OEMをご検討いただく際にも、まずは基本の構成を知っていただくとイメージしやすいかと思います。
★歯ブラシの主な構成
ハンドル(柄部分)
射出成形機という設備でプラスチックの粒を溶かし、金型に流し込んで歯ブラシの柄を成形します。
たい焼きを型で作るイメージに近い工程です。
一般的にはプラスチック(PPやPET)を使用しますが、近年は竹や植物由来のバイオプラスチックなど環境に配慮した素材も増えています。
持ちやすさやデザイン性を高めるために2種類の樹脂(例:PP・PET+TPEなど)を組み合わせるケースもあります。
素材選びによって、機能性や環境対応、デザイン性など、ブランドらしいこだわりを表現できます。
毛(ブラシ部分)
歯ブラシの中でも最も重要なパーツです。素材はナイロンやPBTといった樹脂繊維が主流で、
毛の太さや形状(先細毛、段差毛など)で磨き心地が大きく変わります。
平線(金属片)
「歯ブラシに金属片?」と不思議に思われる方もいるかもしれません。
透明な歯ブラシを横から見ると、毛の根本にはキラキラと光るものが見えることがあります。
これは真鍮製の金属片「平線(へいせん)」で、毛をハンドルにしっかりと植え込み、固定する役割を担っています。
近年、「平線」を使わずにプラスチックの根本を熱で溶かして毛を溶着させる方法もありますが、
弊社では歴史の長い「平線」を用いた『植毛技術』を誇っており、歯ブラシづくりに欠かせない部品となります。
パッケージ
パッケージは商品価値を高める大事な要素です。
ホテルなどのアメニティには簡単に開けることのできる簡易的な個装袋が主流ですが、
お店で販売するなら、歯ブラシの特長を魅せやすいブリスター(プラスチックパッケージ)が主流。箱タイプも増えてきています。
最近はプラスチック削減やリサイクル可能素材など環境対応パッケージへの関心も高まっています。
このように様々な資材を組み合わることで、ブランドやターゲットにあった歯ブラシが完成します。
「ハンドルのデザインはどうするか」「どんな毛を植えるか」
「パッケージで何を表現するか」など、OEMの場合は資材選びが他の製品との差別化のポイントになります。
次回は、実際の製造工程についてご紹介します。ぜひお楽しみに!
