技術と知見 連載コラム BrushTech Notes

技術と知見 連載コラム BrushTech Notes

IoT導入 ~スモールスタート~

皆様、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

 

今回は、我々がIoTを導入した初期の状況を紹介いたします。

 

世間では、2016年頃からIoTの展示会やセミナーが増加してきたように思います。

技術の進歩に伴い、多くの企業がIoTの活用を検討し始めました。

私たちもその流れに乗り、2017年ごろからIoTの導入を検討し始め、2018年に初めて導入しました。

 

構想段階では、様々な設備のあらゆる信号を取得しようと考えていましたが、IoT機器メーカーからは高額な見積りが上がってきました。

そこで、私たちは全ての機械をIoT化するのではなく、リスクを最小限に抑えるために、2台の包装設備のみをIoT化し、

生産高とサイクルタイムのデータを機械から 取得することに決めました。

また、IoT機器メーカーの力を借りながらも、自社の技術者が中心となって構築を行うことにしました。

 

このように要求を絞ることで、効率的かつ効果的、そして比較的低価格にIoT導入を実現しました。

 

生産計画と生産数量の乖離をリアルタイムで把握できるようにし、これにより、生産プロセスのどの段階で問題が発生しているかを迅速に特定できるようになりました。

また、サイクルタイムを時刻と共に記録することで、設備の稼働状況を詳細にモニタリングし、最適化を図ることができました。

 

↓ IoT導入初期はノートパソコン本体にデータを蓄積し、エクセルをベースにダッシュボードを作成していた

IoT導入 ~スモールスタート~

 

IoT導入から1か月後、私たちは次のような成果を得ることができました。

ボトルネックの特定とサイクルタイムの適正化により、出来高が11%向上しました。

さらに、生産高と計画数の乖離が見えるようになり、乖離を無くそうとする意識が働き、作業者の意識が向上したことで、生産効率が5%向上しました。

 

思っていたよりも短期間で大きな効果があったことと、従業員の意識にまで効果が出たのに驚いたことを今でも覚えています。

 

今後も私たちは、IoT技術も活用しながらより良い品質のブラシを効率的に生産してまいりますので、

引き続きよろしくお願い申し上げます。

Recommend Contents